複素関数の変数は z
です。z
でその複素数を参照できるほか、x
でその実部, y
でその虚部を参照できます。
整数や小数は 42
や 123.45
のように普通に書けます。このほかに、名前のついた定数として
pi
(TeX 風に \pi
と書くこともできます)e
i
が使えます。
数値の直後に i
を書くことにより、純虚数を表すことができます。例: 3.14i
足し算と引き算は +
演算子と -
演算子を使って、z+1
や 123-45
のように書けます。-z
のように単項の -
演算子を使うと、マイナス1倍ができます。
掛け算は *
演算子、あるいは ×
演算子を使います。
割り算は /
演算子を使って、(z-1)/(z+1)
のように書けます。あるいは、 TeX 風に \frac{}{}
を使って \frac{z-1}{z+1}
と書くこともできます。この場合、波かっこ {}
は省略できません。
べき乗は ^
演算子を使って、z^3
のように書けます。指数が整数の場合は、0の0乗は1とみなされます。この演算子は右結合です。つまり、x^y^z
と書くと、(x^y)^z
ではなく x^(y^z)
と解釈されます。
絶対値は、abs
関数を使って abs(z)
のように書くか、||
演算子を使って |z|
のように書きます。
演算子の優先順位は、優先順位の高いものから順に
!
, 二重階乗 !!
(いずれも後置)^
(右結合)-
*
, ×
, 割り算 /
+
, 引き算 -
となります。
数式の解釈の際、整数とそれ以外の数(複素数)は区別されます。複素数を必要とする文脈で整数を使うことはできますが、整数を必要とする文脈(階乗や二項係数)で複素数を使うことはできません。
このアプリで式が整数として扱われるのは、以下のいずれかの場合に限ります。ただし、 n
や m
は整数とします。
123
n+m
, 引き算 n-m
, 掛け算 n*m
-n
|n|
, abs(n)
n!
, 二重階乗 n!!
binom(n,m)
, \binom{n}{m}
以下は、数学的には整数ですが、このアプリでは整数としては扱われません。
n^m
(将来、これも整数として扱うように仕様を変更する可能性があります)\sum_{k=0}^{5} k
などz
に対しての z/z
など10.0
など整数 n
についての階乗 n!
, 二重階乗 n!!
, 二項係数 binom(n,m)
は、 n
が負の時は定義されません。二項係数の m
が範囲外の場合は、二項係数の値は 0 となります。
複素数の絶対値、偏角、実部、虚部、共役などを計算する関数を紹介します。
絶対値を計算する abs
関数はすでに紹介しました。一方、偏角は arg
で得られます。偏角の値の範囲は −π から π です。この偏角の範囲は、後に紹介する log
やその他の関数にも効いてきます。
実部は real
関数や imag
関数で得られます。real(z)
とすると変数の実部が得られますが、この値は x
と同一です。
共役複素数は conj
を使います。conj(a)
と real(a)-i*imag(a)
は同じ意味になります。
以下の初等関数が使えます。
exp
(指数関数), log
, sqrt
(平方根)sin
, cos
, tan
(三角関数)asin
, acos
, atan
(逆三角関数)sinh
, cosh
, tanh
(双曲線関数)asinh
, acosh
, atanh
(逆双曲線関数)以下の特殊関数が使えます。
Gamma(z)
Beta(z,w)
整数を添字とする和を取ることができます。
文法は次の通りです: sum(
式1 ,
変数名 ,
式2 ,
式3 )
これは、次の数式と等価です:
式2 と 式3 は、先述したような整数である必要があります。添字の変数は整数として取り扱われます。
総和は、 TeX 風に \sum_{
変数名 =
式2 }^{
式3 }
式1 と書くこともできます。この記法での \sum
の優先順位は掛け算よりも低く、足し算よりも高く設定されているので、 \sum_{k=0}^{10} z^k * 2 + z
は \sum_{k=0}^{10} (z^k * 2 + z)
ではなく (\sum_{k=0}^{10} z^k * 2) + z
と解釈されます。また、 2 * \sum_{k=0}^{10} z^k
と書くことはできず、 2 * (\sum_{k=0}^{10} z^k)
と書く必要があります。(将来、この制限を緩和するかもしれません)
(1+z)/(1-z)
→見てみる
(i-z)/(i+z)
→見てみる
sin(z)
→見てみる
exp(z)
→見てみる
\sum_{n=0}^{10} \frac{z^n}{n!}
→見てみる
\sum_{k=0}^{3} \binom{3}{k}*z^k
→見てみる
たくさん